題名: | 自河南經亂關內阻饑兄弟離散各在一處因望月有感聊書所懷寄上浮梁大兄於潛七兄烏江十五兄兼示符離及下邽弟妹 |
作者: | 白居易 |
時難年饑世業空,弟兄羇旅各西東。田園寥落干戈後,骨肉流離道路中。弔影分爲千里鴈,辭根散作九秋蓬。共看明月應垂淚,一夜鄉心五處同。 | |
英譯: |
THE times are hard, and scanty are the harvests; Ours no more is our ancestral property;
Brothers, relations, scattered east and west,
And, with the fighting scarcely over, The fields and gardens all devastated,
00 Are caught midway along the road.
I am like a wild goose that has flown a thousand li,
An autumn leaf that's driven far off its course.
Tonight as we look at the moon, our tears will flow;
Though at five points, we meet in thoughts of home.
Hard times, bad year, and a family dispossessed— Brothers $(all)$ stranded in strange lands, east and west. Field and garden made desolate by the ravages of war, Flesh and blood cast adrift upon the road. Dispersed—the lonely shadows of far-ranging wild geese; Uprooted—the scattered tumbleweeds of autumn. $(As)$ we all watch the bright moon, there should be tears; One night the homesick heart at five places feels the same. |
日譯: |
戦乱と飢饉のために家産は尽き
兄弟は離散して西に東に
戦さの後はふるさとの田畑も荒れはてて
肉親はみな異郷の路上にさすらっている
わが影を顧みれば千里を隔てる孤雁となり
根を離れて風に散る秋の蓬となり了った
こよいの明月を見てはきっと皆涙を流していよう
この一夜 兄弟五ヵ所に分かれていても
ふるさとを想う心は皆同じだ
時難(じなん) 年荒(ねんこう) 世業(せいぎょう)空(むな)し 弟兄(ていけい) 羈旅(きりょ) 各(おのおの)西東 田園 寥落(りょうらく)干戈(かんか)の後(のち) 骨肉 流離 道路の中(うち) 影(かげ)を弔(ちょう)すれば分かれて千里(り)の雁(がん)と為(な)り 根(ね)を辞して散じて九秋の蓬(よもぎ)と作(な)る 共に明月を看(み)て応(まさ)に涙を垂(た)るべし 一夜(や) 郷心(きょうしん) 五処同じ 時難 年荒 世業空し 弟兄 羈旅 各西東 田園 寥落干戈の後 骨肉 流離 道路の中 影を弔すれば分かれて千里の雁と為り 根を辞して散じて九秋の蓬と作る 共に明月を看て応に涙を垂るべし 一夜 郷心 五処同じ 戦乱の時世と飢饉とによって代々受け継いできた遺産も尽きてしまい、わが一族の兄弟たちはそれぞれに西へ東へと流浪の旅をしている。 われわれの故郷の田園は、兵乱ののちはすっかり荒れはてて、それを守るべき肉親たちは、旅の途中にあって流浪したままである。 われとわが影法師をかえりみると、わたしはただ一人分かれて千里のかなたを飛ぶさびしい雁のようであり、それはまた、根を離れては、原野にころがって散らばる秋のねなしよもぎのような孤独な身である。 しかし今宵の明月をともにじっと見上げるならば、きっと兄弟誰もが皆涙を流し、この同じ一夜の望郷の心は、五箇所に分かれて兄弟すべてが同じものであるにちがいない。 時難(じなん) 年荒(ねんこう) 世業(せいぎょう)空(むな)しく 弟兄(ていけい) 羇旅(きりょ)して 各々(おのおの)西東(せいよう)す 田園(でんえん) 寥落(りょうらく)たり 干戈(かんか)の後(のち) 骨肉(こつにく) 流離(りゅうり)す 道路(どうろ)の中(うち) 影(かげ)を弔(ちょう)すれば 分(わ)かれて千里(せんり)の雁(がん)と為(な)り 根(ね)を辞(じ)しては 散(さん)じて九秋(きゅうしゅう)の蓬(よもぎ)と作(な)る 共(とも)に明月(めいげつ)を看(み)て 応(まさ)に淚(なみだ)を垂(た)るべく 一夜(いちや)の郷心(きょうしん) 五処(ごしょ)同(おな)じからん 時難 年荒 世業空しく 弟兄 羇旅して 各々西東す 田園 寥落たり 干戈の後 骨肉 流離す 道路の中 影を弔すれば 分かれて千里の雁と為り 根を辞しては 散じて九秋の蓬と作る 共に明月を看て 応に淚を垂るべく 一夜の郷心 五処同じからん |