題名: | 賦得古原草送別 |
作者: | 白居易 |
離離原上草,一歲一枯榮。野火燒不盡,春風吹又生。遠芳侵古道,晴翠接荒城。又送王孫去,萋萋滿別情。 | |
英譯: |
How luxuriant the grass in the meadow!
Flourishing and decaying in a single year.
Even fire will not burn it up,
For the Spring breeze will blow it to life again.
A distant fragrance invades the ancient road,
Its deep green colour adjoins the ruined town.
In bidding farewell to the departing lords,
How tender its affection!
Spreading here, spreading there, the grasses on the plain, $(A cycle)$, a year of flourishing and decay— Wild fires burn but can't kill them off, $(When)$ spring wind blows, they grow again. Faraway fragrance overruns ancient roads, Bright emerald tint spreads to ruined walls. Again it's time to bid you 0 farewell, Lush growth teams with $(my)$ parting thoughts. Green green the grass upon the plain, That each year dies to flourish anew, That's scorched by flames yet unsubdued, Surging back when spring winds blow. Its fresh fragrance over runs the ancient roads; Its sun filled greenness meets the ruined city $'s walls$. When once again we meet to say adieu, Deep green are these parting thoughts of you. |
日譯: |
いちめんに生い茂る、ものふりた高原の草。$それは$一年に一度、枯れてもまた生い茂る。あの野焼きの猛火でさえも、$深く大地に根を下ろした$強韌な生命力までは焼きつくすことはできず、腰かい春風が吹きよせるとともに、またもや$新しい生命を喚び醒まして$芽ぶいてくるのだ。遠くまで生え広がる芳しい野の草は、$人通りのまれな$古い道を少しずつおおいはじめ、うららかな日ざしにきらめく翠の草は、遠くの荒れはてた$きびしい$城にまでずっと続いている。またもここで$今日$、親しい友の旅立ちを見送れば、別れの悲しみは、$春を迎えて日ごとに$萋萋と茂りゆく野の草のように$次々と湧き出て$、私の胸のなかに萋萋と満ちあふれるのだ。
離離(りり)たり 原上(げんじょう)の草(くさ) 一歳(いっさい)に 一(ひと)たび枯栄(こえい)す 野火(やか) 焼(や)けども尽(つ)きず 春風(しゅんぷう) 吹(ふ)いて又(ま)た生(しょう)ず 遠芳(えんぼう) 古道(こどう)を侵(おか)し 晴翠(せいすい) 荒城(こうじょう)に接(せっ)す 又(ま)た王孫(おうそん)の去(さ)るを送(おく)れば 萋萋(せいせい)として 別情(べつじょう)满(み)つ 離離たり 原上の草 一歳に 一たび枯栄す 野火 焼けども尽きず 春風 吹いて又た生ず 遠芳 古道を侵し 晴翠 荒城に接す 又た王孫の去るを送れば 萋萋として 別情满つ あふれるばかりに茂る野原の草、一年に一度枯れてはまた生える。 野火に焼かれても根は無くならない、 春風が吹けばまた伸びる。 遠くまで伸び広がる草は古くからの道をおおい、 陽に輝く翠の草は荒れた城の壁まで続いている。 いま古人と同じく私も旅立つあなたを見送る、 盛んに茂る草のように別れの悲しみで胸がいっぱいだ。 離離(りり)たり 原上(げんじょう)の草(くさ) 一歳(いっさい)に一(ひと)たび枯(か)れ柴(さか)ゆ 野火(のび) 焼(や)けども尽(つ)きず 春風(しゅんぷう) 吹(ふ)きて又(ま)た生(しょう)ず 遠芳(えんぽう) 古道(こどう)を侵(おか)し 晴翠(せいすい) 荒城(こうじょう)に接(せっ)す 又(ま)た 王孫(おうそん)の去(ゆ)くを送(おく)る 萋萋(せいせい)として別(わか)れの情(じょう)満(み)つ 離離たり 原上の草 一歳に一たび枯れ柴ゆ 野火 焼けども尽きず 春風 吹きて又た生ず 遠芳 古道を侵し 晴翠 荒城に接す 又た 王孫の去くを送る 萋萋として別れの情満つ 離離(りり)たり 原上(げんじょう)の草(くさ) 一歳(いっさい)に一(ひと)たび枯栄(こえい)す 野火焼(やかや)けども尽(つ)きず 春風吹(しゅんぶうふ)いて又(ま)た生(しょう)ず 遠芳(えんぼう) 古道(こどう)を侵(おか)し 晴翠(せいすい) 荒城(こうじょう)に接(せつ)す 又(ま)た王孫(おうそう)の去(さ)るを送(おく)れば 萋萋(せいせい)として別情満(べつじょうみ)つ 離離たり 原上の草 一歳に一たび枯栄す 野火焼けども尽きず 春風吹いて又た生ず 遠芳 古道を侵し 晴翠 荒城に接す 又た王孫の去るを送れば 萋萋として別情満つ 生い茂る古原の草、 それは一年に一度、枯れてはまた栄える。 枯れた草を野必が焼いても根までは焼き尽くされず、 春風が吹けばまた芽ぶく。 やがて遠くまで伸びひろがる草は、人の通らない古道をおおい、 晴れた日に輝く緑の草原は、荒れて寂しい城壁へとつづいてゆく。 今日もまた親しい友を見送ることとなり、 別れの悲しみは生い茂る草のように、わが胸にわきおこって尽きることがない。 生い茂る古原の草、それは一年に一度、枯れてはまた栄える。枯れた草を野必が焼いても根までは焼き尽くされず、春風が吹けばまた芽ぶく。 やがて遠くまで伸びひろがる草は、人の通らない古道をおおい、晴れた日に輝く緑の草原は、荒れて寂しい城壁へとつづいてゆく。 今日もまた親しい友を見送ることとなり、別れの悲しみは生い茂る草のように、わが胸にわきおこって尽きることがない。 青々とした野原の草、一年に一度、枯れてはまた茂る。 野火も焼き尽くすことはできず、春風が吹けばまた萌えいずる。 香りは遠く昔の街道に拡がり、緑はきらきらと荒れはてた城壁に続く。またここに貴公子を送り来ると、草は茂り、離別の思いは胸にあふれる。 離離(りり)たり 原上(げんじょう)の草(くさ) 一歳(いっさい)に一(ひと)たび枯栄(こえい)す 野火(やか) 焼(や)けども尽(つ)きず 春風(しゅんぷう) 吹(ふ)きて又(ま)た生(しょう)ず 遠芳(えんぼう) 古道(こどう)を侵(おか)し 晴翠(せいすい) 荒城(こうじょう)に接(せっ)す 又(ま)た王孫(おうそん)を送(おく)りて去(さ)る 萋萋(せいせい)として別情(べっじょう)満(み)つ 離離たり 原上の草 一歳に一たび枯栄す 野火 焼けども尽きず 春風 吹きて又た生ず 遠芳 古道を侵し 晴翠 荒城に接す 又た王孫を送りて去る 萋萋として別情満つ みだれ茂った野原の草は、一年に一度さかえてまた枯れる。冬には野火で能かれるが根だやしにはならないで、春風が吹けばまたはえてくる。いま見わたせば花をつけた草が古道までのびてきており、この晴れた日に草の緑が荒れはてた城までつづいている。時も時、王孫の去りゆくのを送別すれば、草と同じく別れの気持ちが満ちあふれる。 離離(りり)たり原上(げんじゃう)の草(くさ)、一歳(いつさい)にひとたび枯榮(こえい)す。野火(やくわ) 焼(や)けども盡(つ)きず、春風(しゅんぶう) 吹(ふ)けばまた生(しゃう)ず。遠芳(えんばう) 古道(こだう)を侵(をか)し、晴翠(せいすい) 荒城(くわうじゃう)に接(せつ)す。また王孫(わうそん)の去(はし)るを送(おく)り、萋萋(せいせい)として別情(べつじゃう)滿(み)つ。 離離たり原上の草、一歳にひとたび枯榮す。野火 焼けども盡きず、春風 吹けばまた生ず。遠芳 古道を侵し、晴翠 荒城に接す。また王孫の去るを送り、萋萋として別情滿つ。 さわさわと野原(のはら)に茂(しげ)った草(くさ)、その一歳(ひととせ)の栄(はえ)はひととせで終(おわ)る。 でも、野火(のび)に焼かれた枯れ草は亡びたのではない。春風吹く頃ともなれば新しい芽が萌(も)え出る。 香ぐわしい草はむかしの道をわが物顔に覆い、晴れた日の野の緑は荒れはてた城壁までつづく。ゆかしい人の去ってゆくのを送って又も野に立てば、がやくばかり青々(あおあお)しい草に別れの哀しみは広がってゆく。 さわさわと野原に茂った草、その一歳の栄はひととせで終る。 でも、野火に焼かれた枯れ草は亡びたのではない。春風吹く頃ともなれば新しい芽が萌え出る。 香ぐわしい草はむかしの道をわが物顔に覆い、晴れた日の野の緑は荒れはてた城壁までつづく。ゆかしい人の去ってゆくのを送って又も野に立てば、がやくばかり青々しい草に別れの哀しみは広がってゆく。 ふさふさと垂れている野原の草も、一年に一回は枯れて、そしてまた茂る。 野火で焼けても根は残り、春風が吹くとまた生えてくる。 遥かかなに、芳しい草が古道の上まで生えひろがり、あざやかな緑の草が、 都の城壁のあたりまで続いている。 そんななか、また旅に出るあなたを見送ることになった。青々と茂った草にも、別れを惜しむ気持が満ちている。 離離(りり)たる原上(げんじょう)の草(くさ)、 一歳(いっさい)に一(ひと)たび枯栄(こえい)す。 野火(やか) 焼(や)けども尽(つ)きず、 春風(しゅんぷう) 吹(ふ)いて又(また)生(しょう)ず。 遠芳(えんぽう) 古道(こどう)を侵(おか)し、 晴翠(せいすい) 荒城(こうじょう)に接(せっ)す。 又(ま)た王孫(おうそん)の去(さ)るを送(おく)る、 萋萋(せいせい)として別情(べつじょう)满(み)つ。 離離たる原上の草、 一歳に一たび枯栄す。 野火 焼けども尽きず、 春風 吹いて又生ず。 遠芳 古道を侵し、 晴翠 荒城に接す。 又た王孫の去るを送る、 萋萋として別情满つ。 |