題名: | 西原晚望 |
作者: | 白居易 |
花菊引閑行,行上西原路。原上晚無人,因高聊四顧。南阡有煙火,北陌連墟墓。村鄰何蕭疎,近者猶百步。吾廬在其下,寂莫風日暮。門外轉枯蓬,籬根伏寒兔。故園汴水上,離亂不堪去。近歲始移家,飄然此村住。新屋五六間,古槐八九樹。便是衰病身,此生終老處。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
菊の花がわたしを誘って散歩させたので、西の高原にのぼってしまった。
高原は日ぐれで人かげもなく、高みから四方をながめた。
南の道には夕餉の煙がたち、北の道はあれた墓地につづいている。
村の隣はなんとさびしくまばらなことだ、近いものでも百歩は離れている。
わが家はこの高原の下にあって、風ふく日ぐれのさびしいこと。
門外には枯れたョモギがとび、垣根にはうさぎがかくれているのだ。
故郷は汴水のほとりだが、戦乱でゆくこともできなかった。
近年はじめて家を移して、ふらふらとこの村に住むことになった。 新築した家は五、六間で、エンジュの老木が八、九本ある。
これが衰え病むわたしの、この一生の最後の場所だ。
花菊(くわきく) 閒行(かんかう)を引(ひ)き、 行(ゆ)いて西原(せいげん)の路(みち)に上(のぼ)る。 原上(げんきゃう) 晩(く)れて人(ひと)なく、 高(たか)きに因(よ)っていささか四顧(しこ)す。 南阡(なんせん)に烟火(えんくわ)あり、 北陌(ほくはく) 墟墓(きょぼ)に連(つらな)る。 村鄰(そんりん)なんぞ蕭疏(せうそ)たる、 近(ちか)きものなほ百歩(ひゃっぼ)。 わが廬(ろ)はその下(した)にあり、 寂寞(せきばく)たり風日(ふうじつ)の暮(くれ)。 門外(もんぐわい) 枯蓬(こほう) 轉(てん)じ、 籬根(りこん)に寒兎(かんと) 伏(ふく)す。 故園(こえん)は汴水(べんすい)のほとり、 亂(らん)に離(かか)りて去(ゆ)くに堪(た)へず。 近歲(きんさい)はじめて家(いへ)を移(うつ)し、 飄然(へうぜん)としてこの村(むら)に住(す)む。 新屋(しんをく) 五六間(ごろくけん)、 古槐(こくわい) 八九樹(はつくじゅ)。 すなはちこれ衰病(すいびゃう)の身(み)の、 この生(せい)の終老(しゅうらう)の處(ところ)。 花菊 閒行を引き、 行いて西原の路に上る。 原上 晩れて人なく、 高きに因っていささか四顧す。 南阡に烟火あり、 北陌 墟墓に連る。 村鄰なんぞ蕭疏たる、 近きものなほ百歩。 わが廬はその下にあり、 寂寞たり風日の暮。 門外 枯蓬 轉じ、 籬根に寒兎 伏す。 故園は汴水のほとり、 亂に離りて去くに堪へず。 近歲はじめて家を移し、 飄然としてこの村に住む。 新屋 五六間、 古槐 八九樹。 すなはちこれ衰病の身の、 この生の終老の處。 菊の花がわたしを誘って散歩させたので、西の高原にのぼってしまった。高原は日ぐれで人かげもなく、高みから四方をながめた。南の道にはダ餉の煙がたち、北の道はあれた墓地につづいている。村の隣はなんとさびしくまばらなことだ、近いものでも百歩は離れている。わが家はこの高原の下にあって、風ふく日ぐれのさびしいこと。門外には枯れたヨモギがとび、垣根にはうさぎがかくれているのだ。故郷は汴水のほとりだが、戦乱でゆくこともできなかった。近年はじめて家を移して、ふらふらとこの村に住むことになった。新築した家は五、六間で、エンジュの老木が八、九本ある。これが衰え病むわたしの、この一生の最後の場所だ。 花菊(くわきく) 聞行(かんかう)を引(ひ)き、行(ゆ)いて西原(せいげん)の路(みち)に上(のぼ)る。原上(げんじゃう) 晩(く)れて人(ひと)なく、高(たか)きに因(よ)っていささか四顧(しこ)す。南阡(なんせん)に姻火(えんくわ)あり、北陌(ほくはく) 墟墓(きよぼ)に連(つちな)る。村鄰(そんりん) なんぞ蕭疏(せうそ)たる、近(ちか)きものなほ百歩(ひゃつぼ)。わが廬(ろ)はその下にあり、寂寞(せきばく)たり風日(ふうじつ)の暮(くれ)。門外(もんぐわい) 枯蓬(こほう) 轉(てん)じ、籬根(りこん)に寒免(かんと) 伏(ふく)す。故園(こえん)は汴水(べんすい)のほとり、亂(らん)に離(かか)りて去(ゆ)くに堪(た)へず。近歲(きんさい)はじめて家(いへ)を移(うつ)し、飄然(へうぜん)としてこの村(むら)に住(す)む。新屋(しんをく) 五六間(ごろくけん)、古槐(こくわい) 八九樹(はつくじゅ)。すなはちこれ衰病(すいびゃう)の身(み)の、この生(せい)の終老(しゅうらう)の處(ところ)。 花菊 聞行を引き、行いて西原の路に上る。原上 晩れて人なく、高きに因っていささか四顧す。南阡に姻火あり、北陌 墟墓に連る。村鄰 なんぞ蕭疏たる、近きものなほ百歩。わが廬はその下にあり、寂寞たり風日の暮。門外 枯蓬 轉じ、籬根に寒免 伏す。故園は汴水のほとり、亂に離りて去くに堪へず。近歲はじめて家を移し、飄然としてこの村に住む。新屋 五六間、古槐 八九樹。すなはちこれ衰病の身の、この生の終老の處。 |