題名: | 重到渭上舊居 |
作者: | 白居易 |
舊居清渭曲,開門當蔡渡。十年方一還,幾欲迷歸路。追思昔日行,感傷故游處。插柳作高林,種桃成老樹。因驚成人者,盡是舊童孺。試問舊老人,半爲繞村墓。浮生同過客,前後遞來去。白日如弄珠,出沒光不住。人物日改變,舉目悲所遇。回念念我身,安得不衰暮。朱顏銷不歇,白髮生無數。唯有山門外,三峰色如故。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
もとのすまいは渭水のほとりにあって、門をあけると目の前が蔡渡だ。十年たってはじめて還って来たので、帰りの道にまよいそうだった。むかし歩いたところを思いだし、むかし遊んだ場所で感じることが多かった。自分のさした柳は高い株となり、うえた桃は老木になっている。そこでおどろいたことは成人が、 みな昔の子どもだったことだ。ためしに昔の老人のことをきいてみたら、半分は村のまわりの墓になっている。人生は旅人と同じく、前になり後になり往来さだめがない。月日は曲どりの玉のように、上下してとまっていない。 人間も物も毎日かわっているので、目をあげて見ると悲しまざるを得ない。さてわが身のことをふりかえれば、これもどうして衰えないでおれよう。 紅顔は消えうせ、白髪が無数にはえた。ただ山門のそとの、三峰だけがむかしどおりの色だ。
舊居(きうきょ) 清渭(せいえ)の曲(くま)、門(もん)を開(ひら)けば蔡渡(さいと)に當(あた)る。十年(じふねん)はじめて一たび還(かへ)れば、ほとんど歸路(きろ)に迷(まよ)はんとす。追思(つるし)す昔日(せきじつ)の行(かう)、感傷(かんしゃう)す故游(こいう)の處(ところ)。插柳(さふりう)は高林(かうりん)となり、種桃(しゅたう)は老樹(らうじゅ)となる。よりて驚(おどろ)く成人(せいじん)の者(もの)、ことごとくこれ舊(きう)童孺(どうじゅ)。試(こころみ)に舊老人(きうらうじん)を問(と)へば、半(なか)ば村(むら)を繞(むぐ)るの墓(はか)となる。浮生(ふせい)は過客(くわかく)に同(おな)じく、前後(ぜんご)たがひに來去(らいきょ)す。白日(はくじつ) 珠(たま)を弄(ろう)するがごとく、出沒(しゅつぼつ) 光(ひかり)とどまらず。人物(じんぶつ) 日(ひ)に改變(かいへん)す、目(め)を舉(あ)げて所遇(しょぐう)を悲(なかし)む。 迴念(くわいねん)してわが身(み)を念(おも)へぱ、いづくんぞ衰暮(すいぼ)せざるを得(え)ん。朱顔(しゅがん) 銷(せう)して歇(や)まず、白髪(はくはつ) 生(しゃう)じて無數(むすう)。ただあり山門(さんもん)の外(そと)、三峯(さんぼう) 色(いろ) 故(もと)のごときのみ。 舊居 清渭の曲、門を開けば蔡渡に當る。十年はじめて一たび還れば、ほとんど歸路に迷はんとす。追思す昔日の行、感傷す故游の處。插柳は高林となり、種桃は老樹となる。よりて驚く成人の者、ことごとくこれ舊童孺。試に舊老人を問へば、半ば村を繞るの墓となる。浮生は過客に同じく、前後たがひに來去す。白日 珠を弄するがごとく、出沒 光とどまらず。人物 日に改變す、目を舉げて所遇を悲む。 迴念してわが身を念へぱ、いづくんぞ衰暮せざるを得ん。朱顔 銷して歇まず、白髪 生じて無數。ただあり山門の外、三峯 色 故のごときのみ。 |