題名: | 寄江南兄弟 |
作者: | 白居易 |
分散骨肉戀,趨馳名利牽。一奔塵埃馬,一泛風波船。忽憶分手時,憫默秋風前。別來朝復夕,積日成七年。花落城中池,春深江上天。登樓東南望,鳥滅煙蒼然。相去復幾許,道里近三千。平地猶難見,況乃隔山川。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
南北にわかれて兄弟あいしたいながら、名利にひかれてとび回っている。こちらは馬で塵埃のあいだを走り、そちらは船で風波の上をゆく。ふと別れた時のことを思いだした、秋風に吹かれて悲しみにことばなく別れたね。別れてから朝が来、夕ベが来て、日かずも七年となった。ここ長安では花が散っているが、そちらは長江上、春も深かろう。高楼にのぼっていって東南を眺めると、鳥がとんでゆき、もやが青い。どれくらい離れているかといえば、三千里に近い距離だ。平地でも見えにくいのに、山川がなかをへだてているのだからなあ。
分散(ぶんさん)して骨肉(こつにく)戀(こ)ひ、趨馳(すうち)して名利(めいり)牽(ひ)く。一(いつ)は塵埃(ぢんあい)の馬(うま)を奔(はし)らせ、一(いつ)は風波(ふうは)の船(ふね)を汎(うか)ぶ。たちまち憶(おも)ふ首(かうべ)を分(わか)つ時(とき)、秋風(しうふう)の前(まえ)に憫默(びんもく)せしを。別(わか)れてより朝(あさ)また夕(ゆふ)、 日(ひ)を積(つ)んで七年(しちねん)と成(な)る。花(はな)は落(お)つ城中(じゃうちゅう)の地(ち)、春(はる)は深(ふか)し江上(かうじゃう)の天(そら)。樓(ろう)に登(のぼ)りて東南(とうなん)を望(のぞ)めば、鳥滅(とりめつ)して烟蒼然(もやさうぜん)たり。あひ去(さ)ることまた幾許(いくばく)ぞ、道里(だうり) 三千(さんぜん)に近(ちか)し。平地(へいち)すらなほ見(み)がたし、いはんやすなはち山川(さんせん)を隔(へだ)つるをや。 分散して骨肉戀ひ、趨馳して名利牽く。一は塵埃の馬を奔らせ、一は風波の船を汎ぶ。たちまち憶ふ首を分つ時、秋風の前に憫默せしを。別れてより朝また夕、 日を積んで七年と成る。花は落つ城中の地、春は深し江上の天。樓に登りて東南を望めば、鳥滅して烟蒼然たり。あひ去ることまた幾許ぞ、道里 三千に近し。平地すらなほ見がたし、いはんやすなはち山川を隔つるをや。 |