題名: | 閉關 |
作者: | 白居易 |
我心忘世久,世亦不我干。遂成一無事,因得長掩關。掩關來幾時,髣髴二三年。著書已盈帙,生子欲能言。始悟身向老,復悲世多艱。迴顧趨時者,役役塵壤間。歲暮竟何得,不如且安閑。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
わたしのなかで世間を忘れて久しい。世間もまたわたしには関わらない。
そこでさっぱり用事が失せ、ために常時、門を閉めきっていられる。
門を閉めきってからどれほどたつか。ざっと数えて二、三年。
書いた物は帙にたまり、生まれた子はものを言うほど大きくなった。
今はじめて老いに向から我が身に気づき、世に戦難が満ちるのを悲しむ。
世間に走り回る輩を眺めわたせば、俗塵にまみれてあくせくしている。
人生のたそがれに結局何が得られるのか。まずはのんびり暮らすに如くはない。
我(わ)が心(こころ) 世(よ)を忘(わす)るること久(ひさ)し 世(よ)も亦(ま)た我(われ)を干(おか)さず 遂(つい)に一(いつ)に事(こと)無(な)きを成(な)し 因(よ)りて常(つね)に関(かん)を掩(おお)うを得(え)たり 関(かん)を掩(おお)いて来(より) 幾時(いくとき)ぞ 髣髴(ほうふつ)たり 二三年(にさんねん) 書(しょ)を著(あら)わして已(すで)に帙(ちつ)に盈(み)ち 子(こ)を生(う)みて能(よ)く言(い)わんと欲(ほっ)す 始(はじ)めて身(み)の老(お)いに向(なんなん)とするを悟(さと)り 復(ま)た世(よ)の艱(かん)多(おお)きを悲(かな)しむ 時(とき)に趨(おもむ)ぐ者(もの)を廻顧(かいこ)すれば 塵壌(じんじょう)の間(かん)に役役(えきえき)たり 歳暮(さいぼ) 竟(つい)に何(なに)をか得(え)ん 且(しばら)く安閑(あんかん)たるに如(し)かず 我が心 世を忘るること久し 世も亦た我を干さず 遂に一に事無きを成し 因りて常に関を掩うを得たり 関を掩いて来 幾時ぞ 髣髴たり 二三年 書を著わして已に帙に盈ち 子を生みて能く言わんと欲す 始めて身の老いに向とするを悟り 復た世の艱多きを悲しむ 時に趨ぐ者を廻顧すれば 塵壌の間に役役たり 歳暮 竟に何をか得ん 且く安閑たるに如かず |