題名: | 及第後歸覲留別諸同年 |
作者: | 白居易 |
十年常苦學,一上謬成名。擢第未爲貴,賀親方始榮。時輩六七人,送我出帝城。軒車動行色,絲管舉離聲。得意減別恨,半酣輕遠程。翩翩馬蹄疾,春日歸鄉情。 | |
英譯: |
For ten years I never left my books;
I went up... and won unmerited praise.
My high place I do not much prize;
The joy of my parents will first make me proud.
Fellow students, six or seven men,
See me off as I leave the City gate.
My covered couch is ready to drive away;
Flutes and strings blend their parting tune.
Hopes achieved dull the pains of parting;
Fumes of wine shorten the long road...
Shod with wings is the horse of him who rides
On a Spring day the road that leads to home.
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日譯: |
十年常(じゅうねんつね)に苦学(くがく)し 、
一(ひと)たび上(のぼ)り 謬(あやま)って名(な)を成(な)す
第(だい)に擢(ぬきん)でらるるは未(いま)だ貴(たつと)しと為(な)さず
親(しん)を賀(が)して方(まさ)に始(はじ)めて栄(えい)なり
時輩(じはい)六七人(ろくしちにん)
我(われ)を送(おく)りて帝城(ていじょう)を出(い)づ
軒車(けんしゃ) 行色(こうしょく)を動(うご)かし
糸管(しかん) 離声(りせい)を挙(あ)ぐ
得意(とくい) 別恨(べつこん)を減(げん)じ
半酣(はんかん) 遠程(えんてい)を軽(かろ)んず
翩翩(はんべん)として馬蹄疾(ばていはや)し
春日帰郷(しゅんじつききょう)の情(じょう)
十年常に苦学し 、 一たび上り 謬って名を成す 第に擢でらるるは未だ貴しと為さず 親を賀して方に始めて栄なり 時輩六七人 我を送りて帝城を出づ 軒車 行色を動かし 糸管 離声を挙ぐ 得意 別恨を減じ 半酣 遠程を軽んず 翩翩として馬蹄疾し 春日帰郷の情 私は十年間苦学しつづけ、ついに及第の名誉を得ることができたが、及第するだけでは貴いわけではなく、親に祝辞を述べてはじめて光栄なのだ。同じ時に及第した仲間六、七人が、都のはずれまで送ってくれ、馬車は動きだし、琴や笛は別れの曲を奏でた。 得意な心には別れの悲しみも少なく、ほろ酔いで遠路も苦にならない。 馬の歩みは軽やかで、これこそ春の帰郷の情だ。 十年常(じゅうねんつね)に苦学(くがく)し 、 一(ひと)たび上(のぼ)り 謬(あやま)って名(な)を成(な)す 第(だい)に擢(ぬきん)でらるるは未(いま)だ貴(たつと)しと為(な)さず 親(しん)を賀(が)して方(まさ)に始(はじ)めて栄(えい)なり 時輩(じはい)六七人(ろくしちにん) 我(われ)を送(おく)りて帝城(ていじょう)を出(い)づ 軒車(けんしゃ) 行色(こうしょく)を動(うご)かし 糸管(しかん) 離声(りせい)を挙(あ)ぐ 得意(とくい) 別恨(べつこん)を減(げん)じ 半酣(はんかん) 遠程(えんてい)を軽(かろ)んず 翩翩(はんべん)として馬蹄疾(ばていはや)し 春日帰郷(しゅんじつききょう)の情(じょう) 十年常に苦学し 、 一たび上り 謬って名を成す 第に擢でらるるは未だ貴しと為さず 親を賀して方に始めて栄なり 時輩六七人 我を送りて帝城を出づ 軒車 行色を動かし 糸管 離声を挙ぐ 得意 別恨を減じ 半酣 遠程を軽んず 翩翩として馬蹄疾し 春日帰郷の情 私は十年間苦学しつづけ、ついに及第の名誉を得ることができたが、及第するだけでは貴いわけではなく、親に祝辞を述べてはじめて光栄なのだ。同じ時に及第した仲間六、七人が、都のはずれまで送ってくれ、馬車は動きだし、琴や笛は別れの曲を奏でた。 得意な心には別れの悲しみも少なく、ほろ酔いで遠路も苦にならない。 馬の歩みは軽やかで、これこそ春の帰郷の情だ。 十年、刻苦勉励に明け暮れ、一度の応挙でたまたま合格してしまった。 登第が貴いわけではなく、親を祝えることが晴れがましい。 同輩たち六、七人が、都の外まで見送ってくれる。 車はいざ旅立ちの気配、別れの曲が奏でられる。 意はかない、別れの悲哀は薄らぐ。ほろ酔い気分、遠い旅路も苦にならない。 軽やかに馬は疾駆する。春の日、国に帰るこの胸のうち。 十年(じゅうねん) 常(つね)に苦学(くがく)し 一(ひと)たび上(のぼ)りて語謬(あやま)りて名(な)を成(な)す 第(だい)に擢(ぬき)んでらるるは未(いま)だ貴(たっと)しと為(な)さざるも 親(おや)を賀(が)して方(まさ)に始(はじ)めて栄(えい)なり 時輩(じはい) 六七人(ろくしちにん) 我(われ)を送(おく)りて帝城(ていじょう)を出(い)ず 軒車(けんしゃ) 行色(こうしょく)を動(うご)かし 系管(しかん) 離声(りせい)を挙(あ)ぐ 得意(とくい) 別恨(べっこん)を減(へ)らし べっこん 半酣(はんかん) 遠程(えんてい)を軽(かる)くす 翩翩(へんぺん)として馬蹄(ばてい)疾(はや)し 春日(しゅんじつ) 帰郷(ききょう)の情(じょう) 十年 常に苦学し 一たび上りて語謬りて名を成す 第に擢んでらるるは未だ貴しと為さざるも 親を賀して方に始めて栄なり 時輩 六七人 我を送りて帝城を出ず 軒車 行色を動かし 系管 離声を挙ぐ 得意 別恨を減らし べっこん 半酣 遠程を軽くす 翩翩として馬蹄疾し 春日 帰郷の情 わたしは十年間、苦学しつづけ、ついに及第の名誉を得ることができた。しかし及第だけでは貴くなく、親に祝辞をのべてはじめて光栄なのだ。同時に及第したなかま六、七人が、長安の郊外まで送ってくれた。馬車は動きだし、楽器は別離の曲をかなでた。 わたしは得意なので別れの悲しみもすくなく、ほろ酔いで遠路も苦にしない。馬のあゆみも軽やかで、これこそ春日帰郷の情だ。 十年(じふねん)つねに苦學(くがく)し、一(ひと)たび謬(あやま)って名(な)を成(な)す。第(だい)に擢(ぬきん)でらるるはいまだ貴(たつと)しとなさず、親(しん)を賀(が)してまさにはじめて榮(えい)なり。時輩(じはい)六七人(ろくしちにん)、我(われ)を送(おく)りて帝城(ていじゃう)を出(い)づ。軒車(けんしゃ) 行色(かうしょく)を動(うごか)し、絲管(しくわん) 離聲(りせい)を舉(あ)ぐ。得意(とくい) 別恨(べつこん)を減(げん)じ、半酣(はんがん) 遠程(えんてい)を輕(かろ)んず。翩翩(へんべん)として馬蹄(ばてい)疾(はや)し、春日(しゅんじつ)歸郷(くきゃう)の情(じゃう)。 十年つねに苦學し、一たび謬って名を成す。第に擢でらるるはいまだ貴しとなさず、親を賀してまさにはじめて榮なり。時輩六七人、我を送りて帝城を出づ。軒車 行色を動し、絲管 離聲を舉ぐ。得意 別恨を減じ、半酣 遠程を輕んず。翩翩として馬蹄疾し、春日歸郷の情。 |