題名: | 官舍小亭閑望 |
作者: | 白居易 |
風竹散清韻,煙槐凝綠姿。日高人吏去,閑坐在茅茨。葛衣禦時暑,蔬飯療朝飢。持此聊自足,心力少營爲。亭上獨吟罷,眼前無事時。數峰太白雪,一卷陶潛詩。人心各自是,我是良在茲。迴謝爭名客,甘從君所嗤。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
風竹(ふうちく) 清韻(せいいん)を散(さん)じ
煙槐(えんかい) 緑姿(りょくし)を凝(こ)らす
日高(ひたか)くして人吏去(じんりさ)り
閒坐(かんざ)して茅茨(ぼうし)に在(あ)り
葛衣(かつい) 時暑(じしょ)を禦(ふせ)ぎ
蔬飯(そはん) 朝飢(ちょうき)を療(いや)す
此(こ)れを持(じ)して聊(いささ)か自(みずか)ら足(た)る
心力(しんりょく) 営為少(うぃいすく)なし
亭上(ていじょう) 独吟罷(どくぎんや)む
眼前(がんぜん) 無事(ぶじ)の時(とき)
数峰(すうほう) 太白(たいはく)の雪(ゆき)
一巻(いっかん) 陶潜(とうせん)の詩(し)
人心各(じんしんおの)おの自(みずか)ら是(ぜ)とす
我(わ)が是(ぜ) 良(まこと)に茲(ここ)に在(あ)り
廻(かえ)って謝(しゃ)す 名(な)を争(あらそ)う客(かく)
甘(あま)んじて君(きみ)の嗤(わら)う所(ところ)に従(まか)す
風竹 清韻を散じ 煙槐 緑姿を凝らす 日高くして人吏去り 閒坐して茅茨に在り 葛衣 時暑を禦ぎ 蔬飯 朝飢を療す 此れを持して聊か自ら足る 心力 営為少なし 亭上 独吟罷む 眼前 無事の時 数峰 太白の雪 一巻 陶潜の詩 人心各おの自ら是とす 我が是 良に茲に在り 廻って謝す 名を争う客 甘んじて君の嗤う所に従す 風に吹かれる竹は涼しい響きをたて、もやのこめた槐ば緑の姿が美しい。日が高く上って下役は去り、私はひとり、茅ぶきの家にのんびり座っている。葛の着物で暑さをしのぎ、粗末な飯で朝の空腹もおさまった。こんな生活でまあ満足し、精神や体力は使わない。 亭上でひとり詩を吟じたあと、さしあたり何もすることもない。太白山の峰々には雪が見え、机には陶淵明の詩集がある。 人間の心には、それぞれ正しいとすることがあるが、わが正しさはここにある。ふり返って世の名声を争う者に言っておく、「君たちが笑うにまかせる」と。 風に吹かれる竹は涼しいひびきを立て、もやのこめた槐は緑の姿がうつくしい。日中になって下役は去り、われひとりかやぶきの家にのんびり坐っている。くずのかたびらで暑さがしのげ、粗食で朝の空腹もおさまった。こんな生活でまあ満足し、精神や体力をつかわない。 亭に来てひとり詩を吟じたあと、さしあたりすることもない。太白山の峰々には雪があり、机には陶淵明の詩集。人間の心にはそれぞれ正しいと考えることがあるが、わが正しさはここにある。ふりかえって世の虚名を争う者にいっておく、「君たちの冷笑にまかせる」と。 風竹(ふうちく) 清韻(せいえん)を散(さん)じ、煙槐(えんくわい)、綠姿(りょくし)を凝(こら)す。日(ひ)高(たか)けて人吏(じんり)去(はし)り、聞坐(かんざ)して茅茨(ばうし)にあり。葛衣(かつい) 時暑(じしょ)を禦(ふせ)ぎ、蔬飯(そはん) 朝飢(てうき)を療(いや)す。これを持(ぢ)していささか自(みづか)ら足(た)る、心力(しんりょく) 營爲(えいい)少(すくな)し。亭上(ていじゃう) 獨吟(とくぎん)罷(や)む、眼前(がんぜん) 無事(ぶじ)の時(とき)。數峯(すうほう) 太白(たいはく)の雪(ゆき)、一卷(いっくわん) 陶潜(たうせん)の詩(し)。人心(じんしん)おのおの自(みづか)ら是(ぜ)とす、わが是(ぜ)まことに茲(ここ)にあり。廻(かへ)って謝(しゃ)す名(な)を爭(あらそ)ふ客(かく)、甘(あま)んじて君(きみ)の嗤(わら)ふ所(ところ)に従(まか)す。 風竹 清韻を散じ、煙槐、綠姿を凝す。日高けて人吏去り、聞坐して茅茨にあり。葛衣 時暑を禦ぎ、蔬飯 朝飢を療す。これを持していささか自ら足る、心力 營爲少し。亭上 獨吟罷む、眼前 無事の時。數峯 太白の雪、一卷 陶潜の詩。人心おのおの自ら是とす、わが是まことに茲にあり。廻って謝す名を爭ふ客、甘んじて君の嗤ふ所に従す。 |