題名: | 雜曲歌辭 楊柳枝 五 |
作者: | 溫庭筠 |
館娃宮外鄴城西,遠映征帆近拂堤。繫得王孫歸意切,不關春草綠萋萋。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
館娃宮のそとがわや、魏の鄴城の西がわには、むかしの宮殿は跡かたもないが、廢墟に生えるしだれ柳が敷かぎりなくつづいて、遠くは行く帆かげにぅつり、近くは堤をなよなよと拂っている。旅に出て遠くにいる貴公子が遠い旅に出て、春の草があおあおと生いしげっても歸って來ないというが、そんなことはどうでもよい。この柳の絲のもつれは、ふるさとへ歸りたいこころをひとすじにつなぎとめるのだ。
館娃(くわんあ)宮外(きゅうぐわい)、鄴城(げふじゃう)の西(にし)。遠(とお)くは征帆(せいはん)に映(えい)じ、近(ちか)くは堤(つつみ)を拂(はら)ふ。王孫(わうそん)歸意(きい)の切(せつ)なるを繋(つな)ぎ得(え)て、關(くわん)せず 春草(しゅんさう)の綠(みどり)萋萋(せいせい)たるに。 館娃宮外、鄴城の西。遠くは征帆に映じ、近くは堤を拂ふ。王孫歸意の切なるを繋ぎ得て、關せず 春草の綠萋萋たるに。 |