題名: | 夜上受降城聞笛 |
作者: | 李益 |
回樂峰前沙似雪,受降城下月如霜。不知何處吹蘆管,一夜征人盡望鄉。 | |
英譯: |
AFORE the foot of Hui-lo peak sand drifts spread like snow,
Outside the frontier fort where the surrenders Are received, the moon is shining like frost.
None knows whence the reed flute's music is sounding,
Though every hour of the night makes the soldier's gaze Turn with desire and longing homeward.
Before Hui-le Peak, sands like snow. Beyond Shou-hsiang Citadel, the moon like frost. From somewhere the reed pipes are blowing, $(And)$ all night through the soldiers long for home. Outside the city, before the beacon towers, Sands seem snow, and moonlight falling frost. Somewhere, someone plays the flute: All night, the men can only long for home. HERE on the Southern Border the sand below the mountain lies like fields of snow. The moonlight is like frost along the city-wall. Someone some- where playing on his flute has made the $(Northern)$ soldiers homesick all night long. |
日譯: |
回楽前の沙漠は
雪のように白く照らされ
受降城外の月光は
霜のように冴えている
どこであの蘆笛を吹いているのか
この夜征戍の士たちはいちように
故郷の空を眺めやる
回楽峰前(がいらくほうぜん) 沙(すな) 雪に似たり 受降(じゅこう)城外(じょうがい) 月(つき) 霜(しも)の如(ごと)し 知らず 何(いず)れの処(ところ)か蘆管(ろかん)を吹く 一夜(や) 征人(せいじん) 尽(ことごと)く郷(きょう)を望む 回楽峰前 沙 雪に似たり 受降城外 月 霜の如し 知らず 何れの処か蘆管を吹く 一夜 征人 尽く郷を望む 回楽峰(かいらくふう)の前(まえ)には、砂漠(さばく)の砂(すな)が白(しろ)く広(ひろ)がって雪(ゆき)のようであり、ここ受降城外(じゅうこうじょうかい)の地上(ちじょう)には、月光(げっこう)が霜(しも)のように見(み)える。 いったい、あの登笛(とうてき)の音色(おんしょく)は、どこで吹(ふ)き鳴(な)らしているのであろうか。それを聞(き)いてこの夜(よる)、遠征中(えんせいちゅう)の人々(ひとびと)は、すべて故郷(こきょう)の彼方(かなた)を遠(とお)く眺(なが)めやるのであった。 回楽峰の前には、砂漠の砂が白く広がって雪のようであり、ここ受降城外の地上には、月光が霜のように見える。 いったい、あの登笛の音色は、どこで吹き鳴らしているのであろうか。それを聞いてこの夜、遠征中の人々は、すべて故郷の彼方を遠く眺めやるのであった。 回楽峰前(かいらくふうぜん) 沙雪(すなゆき)に似(に)たり 受降城外(じゅうこうじょうかい) 月霜(つきしも)のごとし 知(し)らず 何(いず)れの処(ところ)にか芦管(ろかん)を吹(ふ)くを 一夜(いちや) 征人(せいじん) 尽(ことごと)く鄉(きょう)を望(のぞ)む 回楽峰前 沙雪に似たり 受降城外 月霜のごとし 知らず 何れの処にか芦管を吹くを 一夜 征人 尽く鄉を望む 囘樂峯のふもとの沙漠には砂が雪のように白く輝き、受降城の外がわでは月の光が霜のように冴えている。高い城壁にのぼって眺めていると、どこで吹いているのかわ からないが、あしぶえのしらべがひゅうひゅうと鳴っている。ここに駐屯している遠征の將士たちは、この夜その笛の音を聞いているうちに、いっせいに故郷の空を眺めやっていた。 回樂(くわいらく)峯前(ほうぜん) 沙(すな) 雪(ゆき)に似(に)たり。 受降城外(じゅかうじゃうぐわい) 月(つき) 霜(しも)の如(ごと)し。 知(し)らず 何(いづ)れの處(ところ)か蘆管(ろくわん)を吹(ふ)く。 一夜(いちや) 征人(せいじん) 盡(ことごと)く郷(きゃう)を望(のぞ)む。 回樂峯前 沙 雪に似たり。 受降城外 月 霜の如し。 知らず 何れの處か蘆管を吹く。 一夜 征人 盡く郷を望む。 |