題名: | 喜見外弟又言別 |
作者: | 李益 |
十年離亂後,長大一相逢。問姓驚初見,稱名憶舊容。別來滄海事,語罷暮天鐘。明日巴陵道,秋山又幾重。 | |
英譯: |
AFTER these ten years of stress and turmoil,
This is the first time we have met since youth.
Only after your name had been revealed to me
Did I recognize you and your features.
All that had happened since we last parted
Kept us talking till the evening bell.
Tomorrow, you'll set out for distant Pa-ling
Across, row after row, the autumn mountains.
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日譯: |
十年間(じゅうねんかん)もの長(なが)い間(あいだ)、一族(いちぞく)はなればなれの乱世(らんせい)を経(へ)た後(あと)で、すっかり成人(せいじん)してたけ高(たか)く大(おお)きくなった君(きみ)に、今(いま)、ここでまた出会(であ)うことができた。
姓(せい)をたずね聞(き)いて君(きみ)と知(し)り、はっとしてあらためて見直(みなお)し、たがいに名前(なまえ)を呼(よ)びあって、昔(むかし)の幼(おさな)い顔立(かおだ)ちを思(おも)い出(だ)すのだった。
一別(いちべつ)以来(いらい)、変転(へんてん)甚(はなは)だしいこの世(よ)の事(こと)を語(かた)り合(あ)い、語(かた)り尽(つ)くすころには、早(はや)くも夕暮(ゆうぐ)れの鐘(かね)の音(おと)がひびいていた。明日(あした)、巴陵()への道中(みちちゅう)に越(こ)えて行(ゆ)くべき秋(あき)の山々(やまやま)は、いったいどれほどを重(かさ)ねることになるのであろうかその幾(いく)つもの山々(やまやま)を、おたがいにまた隔(へだ)てることとなるのだ。
十年間もの長い間、一族はなればなれの乱世を経た後で、すっかり成人してたけ高く大きくなった君に、今、ここでまた出会うことができた。 姓をたずね聞いて君と知り、はっとしてあらためて見直し、たがいに名前を呼びあって、昔の幼い顔立ちを思い出すのだった。 一別以来、変転甚だしいこの世の事を語り合い、語り尽くすころには、早くも夕暮れの鐘の音がひびいていた。明日、巴陵への道中に越えて行くべき秋の山々は、いったいどれほどを重ねることになるのであろうかその幾つもの山々を、おたがいにまた隔てることとなるのだ。 十年(じゅうねん) 離乱(りらん)の後(のち)、長大(ちょうだい) 一(ひと)たび相逢(あいあ)う 姓(せい)を問(と)い、驚(おどろ)きて初(はじ)めて見(み)、名(な)を称(しょう)して 旧客(きゅうかく)を憶(おも)う 別来(べつらい) 滄海(そうかい)の事(こと)、語(ご) 罷(や)みて 暮天(ぼてん)の鐘(かね) 明日(みょうにち) 巴陵(はりょう)の道(みち)、秋山(しゅうざん) 又幾重(またいきちゅう)ならん 十年 離乱の後、長大 一たび相逢う 姓を問い、驚きて初めて見、名を称して 旧客を憶う 別来 滄海の事、語 罷みて 暮天の鐘 明日 巴陵の道、秋山 又幾重ならん 十年世の乱れの後に いま逢えばなんとお前の大きくなったことよ 姓を問うて驚いて見なおし 名をいわれて昔の顔を想い出した お前に別れてこの方 すっかり変わった世の中を たがいに語りつくすうちに はや聞こえる夕べの鐘 明日は又巴陵の方にゆくという 別れてはまた 幾重の秋山を隔てることか 十年離乱(りらん)の後(のち) 長大(ちょうだい) 一(ひと)たび相逢(あいあ)う 姓(せい)を問い 驚いて初めて見(み) 名(な)を称(しょう)し旧容(きゅうよう)を憶(おも)う 別来(べつらい)滄海(そうかい)の事(こと) 語(かた)り罷(や)んで暮天(ぼてん)の鐘(かね) 明日(みょうにち) 巴陵(はりょう)の道 秋山(しゅうざん) 又幾重(またいくちょう)ぞ 十年離乱の後 長大一たび相逢う 姓を問い 驚いて初めて見 名を称し旧容を憶う 別来滄海の事 語り罷んで暮天の鐘 明日 巴陵の道 秋山 又幾重ぞ |