題名: | 秋日 |
作者: | 耿湋 |
反照入閭巷,憂來與誰語。古道無人行,秋風動禾黍。 | |
英譯: |
The evening sun slants o'er the village street,
My griefs alas! in solitude are borne;
Along the road no wayfarers I meet,—
Naught but the autumn breeze across the corn.
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日譯: |
夕日のてりかえしが小さい部落にさしこんでいる。憂鬱な気分が胸にあふれてきたが、これを打ちあけて語るべき相手もない。古い道は、往來の人もまれで、秋風が、 きび 立ちならぶ黍の穂をざわざわ吹き動かしているばかり。
返照(へんせう) 閭巷(りょかう)に入(い)る。 憂(うれ)へ來(きた)って誰(たれ)と共(とも)にか語(かた)らん。 古道(こだう) 人行(じんかう)少(まれ)なり。 秋風(しうふう) 禾黍(くわしょ)を動(うご)かす。 返照 閭巷に入る。 憂へ來って誰と共にか語らん。 古道 人行少なり。 秋風 禾黍を動かす。 夕日の照り返しが村里の路次にさしこんで、あたりにばっと明るさをそえた。秋の夕暮時、孤獨の悲しみを誰と共に慰めあおうか。語りあうべき友もいない。昔は人通りも多かったろうと思われるこのあたりの舊道も、今は人の往來も少なく、ただ秋風のみがきびの穂末をサワサワとうらさびしく吹いているだけである。 返照(へんせう)閱巷(りょかう)に入(い)る。憂(いう)來(らい)誰(たれ)と共(とも)に語(かた)らん。古道(こだう)人(ひと)の行(ゆ)くこと少(まれ)に、秋風(しうふう)禾黍(くわしよ)を動(うこ)かす。 返照閱巷に入る。憂來誰と共に語らん。古道人の行くこと少に、秋風禾黍を動かす。 夕陽が村里にあかあかとさし込んでいる。$堪えがたい$憂いがこみあげてきたとき誰と語りあったらいいのだろう。古びた道は行きから人もまれで、秋風が禾や黍をそよがせているばかりである。 返照(へんせう) 閭巷(りょかう)に入(い)る 憂(うれ)へ來(き)たりて 誰(たれ)と共(とも)にか語(かた)らん 古道(こだう) 人行(じんかう)少(まれ)なり 秋風(しうふう) 禾黍(くわしょ)を動(うご)かす 返照 閭巷に入る。 憂へ來たりて 誰と共にか語らん 古道 人行少なり 秋風 禾黍を動かす 夕日の照り返しが冷たく村里に差しこんでいる。 この静かな光景に憂いがわき起こってきたが、共に語って心を慰める者もいない。 荒れた古い道は、通る人もほとんどなくて、 ただ秋風がさわさわと稲やきびを騒がせるばかりである。 返照(へんしょう) 閭巷(りょこう)に入(い)る 憂(うれ)い來(き)たりて誰(たれ)と共(とも)にか語(かた)らん 古道人(こどうひと)の行(ゆ)くこと少(まれ)に 秋風(しゅうふう) 禾黍(かしょ)を動(うご)かす 返照 閭巷に入る 憂い來たりて誰と共にか語らん 古道人の行くこと少に 秋風 禾黍を動かす |