題名: | 同題仙游觀 |
作者: | 韓翃 |
仙臺下見五城樓,風物淒淒宿雨收。山色遙連秦樹晚,砧聲近報漢宮秋。疎松影落空壇靜,細草香閑小洞幽。何用別尋方外去,人間亦自有丹丘。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
仙界(せんかい)のものかと思(おも)われるこの楼台(ろうたい)に、わたしは初(はじ)めてやって来(き)て、五城(ごじょう)十二楼(じゅうにろう)とも称(しょう)すべき高楼(こうろう)を見(み)ることができた。そこからの眺望(ちょうぼう)は、きわめてものさびしく、降(ふ)り続(つづ)いた雨(あめ)もようやく上(あ)がったばかり。
山(やま)の色(いろ)は、はるかに長安(ちょうあん)の木々(きき)にうち続(つづ)いて見(み)えており、きぬたの響(ひび)きは、漢(かん)の宮殿(きゅうでん)実(じつ)は、唐(とう)の宮殿(きゅうでん)のある都(みやこ)の長安(ちょうあん)の秋(あき)を、ま近(じか)なものとして伝(つた)えてくる。
まばらな松(まつ)の木々(きき)がその影(かげ)を落(お)として、人(ひと)の気配(けはい)のない高台(こうだい)は静(しず)まりかえっており、こまかな香草(こうそう)がそのかおりを放(はな)って、仙人(せんじん)の住(す)む小洞(こぼら)は、奥深(おくぶか)く静(しず)かである。
ここに到(いた)ればどうして別天地(べってんち)をたずねあてて行(い)くことがあろうか。この人(ひと)の世(よ)にもまた、この現実(げんじつ)の世界(せかい)に仙人(せんじん)の住(す)む国(くに)はこのようにしてあるのだから。
仙界のものかと思われるこの楼台に、わたしは初めてやって来て、五城十二楼とも称すべき高楼を見ることができた。そこからの眺望は、きわめてものさびしく、降り続いた雨もようやく上がったばかり。 山の色は、はるかに長安の木々にうち続いて見えており、きぬたの響きは、漢の宮殿実は、唐の宮殿のある都の長安の秋を、ま近なものとして伝えてくる。 まばらな松の木々がその影を落として、人の気配のない高台は静まりかえっており、こまかな香草がそのかおりを放って、仙人の住む小洞は、奥深く静かである。 ここに到ればどうして別天地をたずねあてて行くことがあろうか。この人の世にもまた、この現実の世界に仙人の住む国はこのようにしてあるのだから。 仙台(せんだい) 初(はじ)めて見(み)る 五城楼(ごじょうろう) 風物(ふうぶつ) 淒淒(せいせい)として 宿雨(しゅくう)収(おさ)まる 山色(さんしょく)遥(はる)かに連(つら)なる 秦樹(しんじゅ)の晚(くれ) 砧声(ちんせい)近(ちかく報(ほう)ず 漢宮(かんきゅう)の秋(あき) 疎松(そしょう) 影(かげ)落(お)ちて空壇(くうだん)靜(しず)かに 細草(さいそう) 香生(かしょう)じて 小洞(しょうどう)幽(ゆう)なり 何(なん)ぞ用(もち)いん 別(べつ)に方外(ほうがい)を尋(たず)ねて去(さ)るを 人間(じんかん) 亦(ま)た自(おのずか)ら丹丘(たんきゅう)有(あ)り 仙台 初めて見る 五城楼 風物 淒淒として 宿雨収まる 山色遥かに連なる 秦樹の晚 砧声近く報ず 漢宮の秋 疎松 影落ちて空壇靜かに 細草 香生じて 小洞幽なり 何ぞ用いん 別に方外を尋ねて去るを 人間 亦た自ら丹丘有り 仙台の高楼に来て見れば 降りつづいた雨も止み 見渡す景色はもの淋しい 山色は遠く暮れゆく長安の樹々に連なり 砧の音は近く京城の秋を伝える まばらな松の影がさして 人気のない壇は静かに 細草に春の香りして 小さな洞窟は奥深くしずまる 世間にかかる仙境のあるからは 別に世外の境地を求めて 尋ね歩くことがあろうか 仙台(せんだい) 初めて見る五城楼 風物淒淒(せいせい)として宿雨収(おさ)まる 山色(さんしょく)遥(はる)かに連なる秦樹(しんじゅ)の晚(くれ) 砧声(ちんせい)近く報ず漢宮(かんきゅう)の秋 疎松(そしょう) 影(かげ)落ちて空壇(くうだん)靜かに 細草(さいそう) 春香(かんば)しゅうして小洞(しょうどう)幽(ゆう)なり 何ぞ用(もち)いん別(べつ)に方外(ほうがい)を尋(たず)ねて去るを 人間(じんかん)亦(また)自(おの)ずから丹邱(たんきゅう)有り 仙台 初めて見る五城楼 風物淒淒として宿雨収まる 山色遥かに連なる秦樹の晚 砧声近く報ず漢宮の秋 疎松 影落ちて空壇靜かに 細草 春香しゅうして小洞幽なり 何ぞ用いん別に方外を尋ねて去るを 人間亦自ずから丹邱有り |