題名: | 歸雁 |
作者: | 錢起 |
瀟湘何事等閑回,水碧沙明兩岸苔。二十五弦彈夜月,不勝清怨却飛來。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
この瀟湘の地方を、どういうわけで、むげに見棄てて北の國に歸ってゆくはみどりに透きとおり、配は白く霜のようにきれいだし、兩岸はみずみずしい苔がむして、じつに美しいところなのに、どういうわけなんだ。 月夜の空に向かって、この川の水の女神が二十五絃の瑟をかなでたもうのを聞くと、 そのしらべの清らかな悲しさに堪えかねて、それで北の方へ、飛びたってゆくのだよ。
瀟湘(せうしゃう)より何事(なにごと)ぞ 等閒(なほざり)に回(かへ)る。 水(みず)碧(みどり)に沙明(いさごあきらか)にして兩岸(りやうがん)は苔(こけ)。 二十五(にじご)絃(げん) 夜月(やげつ)に彈(だん)ずれば、 清怨(せいえん)に勝(た)へずして卻(かへ)り飛(と)び來(きた)る。 瀟湘より何事ぞ 等閒に回る。 水碧に沙明にして兩岸は苔。 二十五絃 夜月に彈ずれば、 清怨に勝へずして卻り飛び來る。 雁よ、どうして瀟湘の地を心にも留めず、北へ帰っていくのか。瀟湘は水は碧に澄み、白い砂は明るく輝き。両岸には$食べ物となる$莓苔が$豊かに$生えているのに。――湘水の女神が二十五弦の瑟を夜月のもとかなでておられます。その清らかで哀れな調べに堪えかねて私$達$は$北に$帰って行くのです。 瀟湘(せうしゃう)何事(なにごと)ぞ 等閑(とうかん)に回(かへ)る 水(みず)碧(みどり)に 沙明(すなあきら)かに 兩岸(りゃうがん)苔(こけ)むす 二十五(にじご)絃(げん) 夜月(やげつ)に彈(だん)ずれば 清怨(せいえん)に勝(た)へずして 卻(きゃく)飛來(ひらい)す 瀟湘何事ぞ 等閑に回る 水碧に 沙明かに 兩岸苔むす 二十五絃 夜月に彈ずれば 清怨に勝へずして 卻飛來す 雁よ、どうしてこの美しい瀟湘地方を見捨てて、北へ帰ってゆくのか。 水はみどりに澄み、砂浜は明るくかがやき、両岸には青く苔がむしているのに。 月夜に、二十五絃の瑟$大琴$をかなでる音がするので、 その清らかな怨みにたえかね、飛び帰るのです。 瀟湘(しょうしょう)より何事(なにごと)ぞ等閒(とうかん)に回(かえ)る 水(みず)碧(みどり)に沙(すな)明(あき)らかに兩岸(りょうがん)の苔(こけ) 二十五(にじゅうご)絃(げん) 夜月(やげつ)に彈(だん)ずれば 清怨(せいえん)に勝(た)えずして却(きゃく)飛(ひ)し來(き)たる 瀟湘より何事ぞ等閒に回る 水碧に沙明らかに兩岸の苔 二十五絃 夜月に彈ずれば 清怨に勝えずして却飛し來たる |