題名: | 早朝大明宮呈兩省僚友 |
作者: | 賈至 |
銀燭熏天紫陌長,禁城春色曉蒼蒼。千條弱柳垂青瑣,百囀流鶯繞建章。劍佩聲隨玉墀步,衣冠身惹御爐香。共沐恩波鳳池上,朝朝染翰侍君王。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
あかるく燃えるろうそくをかさして續々と参内するところ、都大路は長く横たわっている。宮城に近づくと、めでたい春景色も明けやらぬままに、まだほのぐらい。やわらかく新芽をふいた柳の列、そのいく千條となくしだれた枝が、宮門の青く塗った彫刻模様のあたりに垂れさがっている。早くるにぎやかにさえずりだしたうぐいすが、 あちらこちらと建章官をめぐって飛びかわしている。公卿百官はいよいよ昇殿を始めているので、自分もそれに伍して玉をしきつめた階の上に步をはこぶと、腰におびた劍や佩玉がさわやかな音をたてる。衣冠に威儀をただして御前に近づくと、寶爐に薫ゆる香が身にしみわたってくる。一同、わが君の恵みの波に浴して中書省に出勤する ことができ、毎朝、こうやって筆をとって、みかどのお近くにつかえる身のしあわせはなんとありがたいことではないか。
銀燭天(ぎんしょくてん)に朝(てう)して紫陌(しはく)長(なが)し。 禁城(きんじゃう)春色(しゅんしょく)曉(あかつき)蒼蒼(さうさう) 千條(せんでう)弱柳(じゃくりう) 青瑣(せいさ)に垂(た)れ、 百囀(ひゃくてん)の流鶯(りうおう) 建章(けんしゃう)を適(めぐ)る。 劍佩(けんばい)の聲(こえ)は玉墀(ぎょくち)の歩(ほ)に随(したが)ひ、 衣冠(いくわん)の身(み)御爐(ぎょろ)の香(かう)を惹(ひ)く。 共(とも)に恩波(おんぱ)に淋(もく)す 鳳池(ほうち)の上(ほとり)、 朝朝翰(てうてうかん)を染(そ)めて君王(くんわう)に待(じ)す。 銀燭天に朝して紫陌長し。 禁城春色曉蒼蒼 千條弱柳 青瑣に垂れ、 百囀の流鶯 建章を適る。 劍佩の聲は玉墀の歩に随ひ、 衣冠の身御爐の香を惹く。 共に恩波に淋す 鳳池の上、 朝朝翰を染めて君王に待す。 |