題名: | 禹廟 |
作者: | 杜甫 |
禹廟空山裏,秋風落日斜。荒庭垂橘柚,古屋畫龍蛇。雲氣生虛壁,江聲走白沙。早知乘四載,疏鑿控三巴。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
禹廟(うべう) 空山(くうざん)の裏(うら)、
秋風(しうふう) 落日斜(らくじつななめ)なり。
荒庭(くわうてい) 橘柚垂(きついうた)れ、
古屋(こをく) 龍蛇(りょうだ)を畫(ゑが)く。
雲氣(うんき) 虚壁(きょへき)に生(しゃう)じ、
江聲(こうせい) 白沙(はくさ)に走(はし)る。
早(つと)に知(し)る、四載(しさい)に乘(の)り、
疏鑿(そさく)して三巴(さんば)を控(ひ)きしことを。
禹廟 空山の裏、 秋風 落日斜なり。 荒庭 橘柚垂れ、 古屋 龍蛇を畫く。 雲氣 虚壁に生じ、 江聲 白沙に走る。 早に知る、四載に乘り、 疏鑿して三巴を控きしことを。 太禹の廟が人けのないさびしい山の中にたっている。秋風が吹いて夕日がかたむいている淋しさ。荒れはてた題には橘と柚の實がたわわになっている。古びた建物の壁には龍や蛇の繪がかいてある。長江にのぞむ絶壁には雲霧のようなものが湧きおこり、 遙か下の方では、水の音が白い砂の上を走って流れてゆく。昔、禹王が四種類の乘物を用いて各地を踏破し、岩石をうがって三巴の水をこちらにひいて流れを自然にし、 治水の功をあげたことは早くから知っていたが、目のあたりこの景色を見ると、その偉大さにうたれて立ちつくした。 |