題名: | 春歸 |
作者: | 杜甫 |
苔徑臨江竹,茅簷覆地花。別來頻甲子,倏忽又春華。倚杖看孤石,傾壺就淺沙。遠鷗浮水靜,輕鷰受風斜。世路雖多梗,吾生亦有涯。此身醒復醉,乘興即爲家。 | |
英譯: |
A moss-covered path leads through the bamboos to the river; A border
of flowers grows under the wide eaves of the thatched hall. After many
months of absence, I have returned at the height of spring. Leaning on
my cane, I examine a solitary rock; Carrying the winepot, I come to
drink on the sandy beach. While the gulls are swimming quietly in the
distance, The swallows here are flying unsteadily in the wind. The ways
of the world are indeed full of obstructions; But the span of one's life
has also a limit. If I become sober, I can drink again; So long as I am
exhilarated, this is home.
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日譯: |
苔むす小道は川にのぞんではえている竹にそうている。茅葺きの家のまわりは地面をおおうていっぱいの花だ。ここにわかれてから思わぬ日數がたってしまった。歸ってきたら、ちょうど春光爛漫の景色になっている。杖によりながら、ひとつ立ってる岩をしげしげと見る。そうかと思うと、また川べりの淺い砂地に腰をおろして、酒壺をかたむけて一杯やりながら、あたりを眺める。遠くに見える鷗はじっと水に浮いて 静かにただよい、身軽の燕は風を受けてななめに、すういと飛ぶ。どうも世渡りの道にはいろいろと行きつまりが多いけれども、どうせ、いつまでも生きられるわけでもないのだ。くよくよしてもはじまらない。この身は酒がなければ さめているし、酒があればうのだ。出たとこ勝負で、氣が向けば、ここを家として住むことにするだけのことさ。
苔徑 江に臨む竹。茅薝 地を覆ら福。別れしより頻りに甲子。歸り到れば忽ち春華。杖に倚りて孤石を看、壺を傾げて淺沙に就く。遠鷗 水に浮んで静に、輕燕 風を受けて斜なり。世路梗多しと雖も、吾が生も 亦 涯有り。此の身 醒めて復た酔ふ。興に乘じて即ち家を爲す。 苔徑 江に臨む竹。茅薝 地を覆ら福。別れしより頻りに甲子。歸り到れば忽ち春華。杖に倚りて孤石を看、壺を傾げて淺沙に就く。遠鷗 水に浮んで静に、輕燕 風を受けて斜なり。世路梗多しと雖も、吾が生も 亦 涯有り。此の身 醒めて復た酔ふ。興に乘じて即ち家を爲す。 |