唐詩平行語料庫研究計畫


題名: 登樓
作者: 杜甫
花近高樓傷客心,萬方多難此登臨。錦江春色來天地,玉壘浮雲變古今。北極朝廷終不改,西山寇盜莫相侵。可憐後主還祠廟,日暮聊爲梁甫吟。
英譯: The flowers near the high tower sadden a visitor's heart; I climb here at a time when the world is seething with trouble. The spring colors of the Brocade River are a gift of creation; The unsteady clouds over the Jade Rampart symbolize the changes of history. The Heavenly Court in the north is at last firm in its place; Let the brigands beyond the Western Mountains cease their invasions. I can sympathize with the inclusion of the Second Ruler in that temple; As the sun goes down, I shall hum one of the songs of Chu-ko Liang.
The flowers so near this tower make me sad, For disaster has spread throughout the land. With the river comes the beauty of spring from a distant heaven and earth; Over the mountains float the clouds that have never remained the same. Yet our court as lodestar shall forever endure, So the marauders from the west had better desist. How pitiable, the son who lost the kingdom, still worshipped! As the sun goes down I sing the Prime Minister's tune.
日譯: 花(はな)は高楼(こうろう)のすぐ近(ちか)くにまで咲(さ)いているが、それはかえって異郷(いきょう)にあるわたしの心(こころ)を悲(かな)しませる。天下(てんか)いたるところ、国難(こくなん)の多(おお)い今(いま)、ここ高楼(こうろう)に登(のぼ)って四方(しほう)を眺(なが)めまわしているからだ。錦江(きんこう)の春景色(はるけしき)は、あたり一帯(いったい)の天地(てんち)に満(み)ちて迫(せま)って来(き)ており、玉塁山(ぎょくるいざん)あたりの浮(う)き雲(くも)は、昔(むかし)も今(いま)も変(か)わりなく変化(へんか)して移(うつ)ろいやまぬ人(ひと)の世(よ)を暗示(あんじ)している。 だがしかし、北極星(ほっきょくせい)にも似(に)たわが長安(ちょうあん)の朝廷(ちょうてい)は、けっきょくは不変不動(ふへんふとう)のものである。西山(せいざん)のあたりに侵入(しんにゅう)した盗賊(とうぞく)どもよ、侵入(しんにゅう)しようなどとすることはやめなさい。ああ、あの凡庸(ぼんよう)な劉禅のような君主(ぐんしゅ)でさえ、補佐(ほさ)の名臣(めいしん)を得(え)れば、足(あし)もとに見(み)えるような廟(びょう)に祭(まつ)られることになるのだ。日(ひ)の暮(く)れ方(かた)に、孔明(こうめい)のような英傑(えいけつ)の出現(しゅつげん)を願(なが)ってただなんとなく、孔明(こうめい)の愛唱(あいしょう)した梁甫(りょうほ)吟(ぎん)を口(くち)ずさんでみるのである。
花は高楼のすぐ近くにまで咲いているが、それはかえって異郷にあるわたしの心を悲しませる。天下いたるところ、国難の多い今、ここ高楼に登って四方を眺めまわしているからだ。錦江の春景色は、あたり一帯の天地に満ちて迫って来ており、玉塁山あたりの浮き雲は、昔も今も変わりなく変化して移ろいやまぬ人の世を暗示している。 だがしかし、北極星にも似たわが長安の朝廷は、けっきょくは不変不動のものである。西山のあたりに侵入した盗賊どもよ、侵入しようなどとすることはやめなさい。ああ、あの凡庸な劉禅のような君主でさえ、補佐の名臣を得れば、足もとに見えるような廟に祭られることになるのだ。日の暮れ方に、孔明のような英傑の出現を願ってただなんとなく、孔明の愛唱した梁甫吟を口ずさんでみるのである。
花(はな)は高楼(こうろう)に近(ちか)くして 客心(かくしん)を傷(いた)ましむ 万方多難(ばんぼうたなん)なるどき 此(ここ)に登臨(とうりん)す 錦江(きんこう)の春色(しゅんしょく) 天地(てんち)に来(きた)り 玉塁(ぎょくるい)の浮雲(ふうん) 古今(ここん)に変(へん)す 北極(ほくきょく)の朝廷(ちょうてい) 終(つい)に改(あらた)まらず 西山(せいざん)の冠盜(かんとう) 相侵(あいおか)すこと莫(な)かれ 憐(あわ)れむべし 後主(こうしゅ)も還(ま)た廟(びょう)に祠(まつ)らる 日暮(にちぼ)聊(いささ)か梁甫(りょうほ)の吟(ぎん)を為(な)す
花は高楼に近くして 客心を傷ましむ 万方多難なるどき 此に登臨す 錦江の春色 天地に来り 玉塁の浮雲 古今に変す 北極の朝廷 終に改まらず 西山の冠盜 相侵すこと莫かれ 憐れむべし 後主も還た廟に祠らる 日暮聊か梁甫の吟を為す
高楼に花咲きみちて 旅の身の心はいたむ いず方も乱るる世に われひとり此の台に登る 錦江の春色は 天地にみなぎり来たり 玉墨山の浮き雲は 今も昔も移り変われど かしこくもわが北の朝廷は いつとてか改まるべき 西山の吐蕃ども われをうかがうこと勿れ 見よ蜀の後主だ 諸葛亮の輔けあれば 永く世に祀らるるを 日もいつか暮れかかるとき 古の英雄を偲び われも亦梁父吟をくちずさみぬ
花(はな)は高楼(こうろう)に近(ちか)くして 客心(きゃくしん)を傷(いた)ましむ 万方(ばんぼう)多難なるどき 此(ここ)に登臨(とうりん)す 錦江(きんこう)の春色 天地に来り 玉塁(ぎょくるい)の浮雲(ふうん) 古今(ここん)に変ず 北極の朝廷 終(つい)に改まらず 西山(せいざん)の冠盜(かんとう) 相侵(あいおか)すこと莫(な)かれ 憐(あわ)れむべし後主(こうしゅ)還(ま)た廟(びょう)に祠(まつ)らる 日暮(にちぼ)聊(いささ)か為(な)す梁父(りょうほ)の吟(ぎん)
花は高楼に近くして 客心を傷ましむ 万方多難なるどき 此に登臨す 錦江の春色 天地に来り 玉塁の浮雲 古今に変ず 北極の朝廷 終に改まらず 西山の冠盜 相侵すこと莫かれ 憐れむべし後主還た廟に祠らる 日暮聊か為す梁父の吟
この高樓の近くには花が咲きみだれているが、それがかえって、さすらいびとわ しの心をいたましめる。天下いたるところ騒亂にわずらわされている今日、自分はここに登って四方を眺めているのだ。錦の川と呼ばれる清い流れは色めいてきて、春が天地にひろがってくる。玉なす壘と呼ばれるけわしい峯にたゆたう浮き雲が絶えず變わってゆく。そのすがたは流轉してやまない古今の世の移りゆくさまさながらではないか。しかし北極星のようにゆるぎのないわが朝廷は結局動かすことはできないのだ。西山のかなたの吐蕃の盗賊どもよ。不遜にもわが國土に侵入してくることをやめよ。しょせん無駄なこったよ。 あすこには蜀漢の先主昭烈皇帝の廟が見える。彼の不肖の子である後主劉禪も一緒に祭られている、丞相の緒葛孔明とご一緒にね。凡庸な君主の後主さえ正統の帝位を受けたものとして、ここで神に祭られることができたのは、まったく偉大な賢人諸葛孔明の餘德というほかはない。わたしは、その人が不退時代に愛唱したという、あの有名な梁甫吟の歌を思い出す。そして日が暮れかかる空のしたで、わたしはなにごころなく、「歩んで齊の城門を出で、遙に蕩陰の里を望む」と口ずさんでいた。
花(はな)は高樓(かうろう)に近(ちか)くして客心(かくしん)を傷(いた)ましな。 萬方(ばんばう)多難(たなん)、此(ここ)に登臨(とうりん)す。 錦江(きんかう)の春色(しゅんしょく) 天地(てんち)に來(きた)り、 玉壘(ぎょくるい)の浮雲(ふうん) 古今(ここん)に變(へん)ず。 北極(ほくきょく)の朝廷(てうてい) 終(つひ)に改(あらた)まらず。 西山(さいざん)の寇盜(こうたう) 相侵(あひわか)すこと莫(なか)れ。 離(あは)れむ可(べ)し 後主(こうしゅ)も還(また) 廟(べう)に祠(まつ)らる。 日暮(にちぼ) 聊(いささ)か為(な)す 梁甫吟(りゃうほぎん)。
花は高樓に近くして客心を傷ましな。 萬方多難、此に登臨す。 錦江の春色 天地に來り、 玉壘の浮雲 古今に變ず。 北極の朝廷 終に改まらず。 西山の寇盜 相侵すこと莫れ。 離れむ可し 後主も還 廟に祠らる。 日暮 聊か為す 梁甫吟。

國立高雄科技大學應用英語系、高瞻科技不分系/國立彰化師範大學英語系