題名: | 別董大二首 一 |
作者: | 高適 |
十里黃雲白日曛,北風吹雁雪紛紛。莫愁前路無知己,天下誰人不識君。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
十里のかなたまで黄がかった、たそがれの雲のかなた、太陽が西にかくれてゆく。北風が空ゆく雁を吹きおくり、雪がちらちら降りしきる。ものすごいあたりのけしき。このとき君が去ってゆくのを送る。しかし、行くさきに知り合いがないと心配するには及ばない。君は天下知名の士だ。どこへ行っても知らないものはあるまい。
十里(じふり)の黄雲(くわううん)白日(はくじつ)曛(くん)ず。 北風(ほくふう) 雁(かり)を吹(ふ)いて雪紛紛(ゆきふんぶん)。 愁(うれ)ふる莫(な)かれ 前路(ぜんろ)知己(ちき)無(な)きを。 天下(てんか)誰人(たれびと)か君(きみ)を識(し)らざらん。 十里の黄雲白日曛ず。 北風 雁を吹いて雪紛紛。 愁ふる莫かれ 前路知己無きを。 天下誰人か君を識らざらん。 空には、十里のかなたまで広がる黄塵が立ちこめ、輝く太陽の光さえもうす暗い。北風は空ゆく雁を吹き送り、雪は紛々と降りしきる。董大よ、これから行く旅路に親しい友がいないなどと嘆かないでくれ。天下に君の名を知らぬ人は、一人としていないのだから。 十里(じふり)の黄雲(くわううん) 白日(はくじつ)曛(くも)る 北風(ほくふう) 雁(かり)を吹(ふ)いて 雪紛紛(ゆきふんぶん) 愁(うれ)ふる莫(な)かれ 前路(ぜんろ)に知己(ちき)無(な)きを 天下(てんか) 誰人(たれひと)か君(きみ)を識(し)らざらん 十里の黄雲 白日曛る 北風 雁を吹いて 雪紛紛 愁ふる莫かれ 前路に知己無きを 天下 誰人か君を識らざらん |