題名: | 使青夷軍入居庸三首 一 |
作者: | 高適 |
匹馬行將久,征途去轉難。不知邊地別,秪訝客衣單。谿冷泉聲苦,山空木葉乾。莫言關塞極,雲雪尚漫漫。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
匹馬(ひつば) 行(ゆくゆ)く將(まさ)に夕(ゆふべ)ならんとす。
征途(せいと) 去(さ)ること轉(うたた)々難(かた)し。
邊地(へんち)の別(こと)なるを知(し)らず。
祇(ただ)々客衣(かくい)の單(ひとへ)なるかと訝(いぶか)る。
溪冷(たにひややか)にして泉聲苦(せんせいくる)しみ、
山空(やまむな)しうして木葉乾(もくえふかわ)く。
言(い)ふこと莫(なか)れ 關塞極(くわんさいきは)まると。
雨雪(いせつ) 尚(なほ) 漫漫(まんまん)たり。
匹馬 行く將に夕ならんとす。 征途 去ること轉々難し。 邊地の別なるを知らず。 祇々客衣の單なるかと訝る。 溪冷にして泉聲苦しみ、 山空しうして木葉乾く。 言ふこと莫れ 關塞極まると。 雨雪 尚 漫漫たり。 たった一ぴきの馬に乘ってゆく旅人の自分は行くうちに日暮れとなっ た。行くさきはますます困難になってくる。この北邊の國境地帶の氣候が内地とはたいへん違っていることを知らなかったので、身にしみる寒とえさに自分が單衣を着ていることに氣づいておどろいた。溪は冷え水がへり流れる泉の聲もまじって聞こえる。 人けのない山には木々が早くも枯葉してしまっている。居庸關についたが、これで關所も要塞も行きつくところまできたというわけにはゆかない。まだまだ清夷軍のところまでには路が長々と遠くつづいており、それに雪さえちらちらと降っている。 |